墨の文字やイラストを使ったロゴ作成

ロゴとは、企業や団体、商品やサービスのイメージを固める非常に重要な存在です。掲げるものの顔ともいえる存在であるため、適当に作成することはできません。ロゴには様々な素材が使用されており、その使用される素材によってもイメージが大きく変わります。

ロゴの作成方法と、素材のひとつとなることが多い墨、毛筆について紹介します。

墨を使用したロゴがよく使われるケース

墨を使用して書かれる毛筆を使用したロゴは数多くあります。墨によって書かれる筆文字は、日本の伝統文化であり、日本人に広く親しまれている存在です。近年はインターネットが普及し、ビジネスでも日常生活でも端末を使わないことがないという日々が続いています。

このインターネット技術の発展に合わせて、手書きの書面を見る機会も減り、その分筆文字の魅力も増してきたようです。墨で書かれる筆文字を活かしたデザインのロゴは、古い文化を取り入れつつも新しさを追求するものとして、人気が高い存在といえるでしょう。

そのような墨の文字やデザインは、主に和風の、和の雰囲気を持つ商品やサービスを提供している企業に多く採用されています。料亭や居酒屋をはじめ、和菓子や日本酒、そして着物などがその代表です。しかし、このほかにも用途は広く、ウェディングのカードに使用されることもあります。

また、墨というと黒一色のイメージですが、赤などのカラフルな墨もあり、様々な場面で使用されている現状です。

ビジネスに役立つ!良い影響を与えられるロゴ作成のテクニック

墨が人に与えるイメージ

墨で書かれたロゴが人に与えるイメージは様々です。筆文字となることが多いことから、どのような筆文字を書くかによってイメージは大きく変わるといえるでしょう。太く勢いのある筆文字を書けば、力強さや優しさを示すことができます。

墨がにじむような筆文字を書けば、やさしさのほかに温かさ、柔らかさを伝えることができるでしょう。

小筆で描いたようなつなぎ文字の筆文字のロゴならば、繊細さや柔らかさ、そして洗練されたイメージを与えることにつながります。

細い筆文字で、かつ勢いのあるものならば、気品や跳躍感といったイメージを与えることが可能です。筆文字は、しっかりと書くだけではなく、かすれた文字や模様にすることもできます。筆のかすれた風合いは、美しく、繊細なイメージを与えるとともに、風流さを示すことも可能です。

また、フォントの文字よりも、あまり多く見かけないことから、墨による筆文字というだけで見る人に大きなインパクトを与えることができるでしょう。

黒が人に与えるイメージ

墨は必ず黒というわけではありませんが、黒が中心です。この黒という色も人に様々なイメージを抱かれます。黒はすべての光を吸収する色であり、インパクトが強いです。このことから、西洋では数多くの場面で使用されますが、日本を中心にアジア圏では、死や闇のイメージにもつながりやすくなるため注意が必要な色とも言えます。

黒は、暗く重いイメージから、強さや威厳を感じさせることにつながるので、落ち着いたイメージや高級感を出したい場合によく使用される色です。このほか、神聖さや神秘さ、そして優雅さに大人っぽさなどを示すことにもつながります。

墨をロゴに使用するメリットとデメリット

墨をロゴに使用するメリットは多いです。墨の筆文字はオリジナリティとインパクトを与えることができます。墨の筆文字を使用するロゴ自体が少ないことから、墨を使用するだけでオリジナリティを出すことにつながります。

日本人にとって筆の文字は、古くから目にしてきた馴染みのあるものです。安心感を感じる人も多くいます。海外の人にとっては「和」を感じさせるもののひとつであるため、インパクトも強いです。日本人にも海外の人の目にもつくロゴとなるでしょう。

また、どのような色とも組み合わせがしやすく、ロゴを作成しやすいという点でもメリットがあります。反対にデメリットもあります。それが、黒という色のイメージが与えるマイナスイメージです。黒という色は、暗く、陰気なイメージで、人によっては寂しさや怖さを感じる人もいます。

重さや終わりを感じさせることもあるため、墨を使用するにしても、その割合を大きくしすぎると却って悪いイメージにつながりやすいという点がデメリットです。

墨は独自性のあるロゴを作成できる

ロゴを作成する際の注意点のひとつが、独自性のあるロゴを作成するということです。この点から見ると墨は非常に魅力的な素材といえるでしょう。有名な企業のロゴを模倣したロゴを作成すれば、人の目につくことは確かです。

しかし、抱かれるイメージは、そのロゴを抱える企業へとつながる可能性は低く、有名企業のイメージへとつながるものとなってしまい、ロゴの意味を失う可能性もあります。独自性がなければ、ロゴを真似された際に、埋没してしまいます。

独自性があれば、一線を画すデザインとなり、しっかりと残り続けます。また、流行のデザインを取り入れた場合、一時は魅力的なロゴとなりますが、流行が過ぎるころには魅力が半減してしまう可能性が高いです。これらのことから独自性は必要ですが、墨という素材はあまり使われることがありません。

そのため、墨の筆文字というだけで独自性を演出することができます。

墨はモノクロデザインにも最適

ロゴのデザインはモノクロでもわかるものであるほうが望ましいです。ロゴはモノクロ印刷されることもあれば、縮小印刷されること、短い時間しか人の目に入らないこともあります。そのような際に、色を多用したロゴは、ごちゃごちゃしており、輪郭もぼやけてしまうので判別しづらいというデメリットがあります。

これらのことからモノクロでもわかるほうが良いのですが、たいていの墨は黒く、モノクロデザインに適しています。このことから墨は、非常に優れた素材のひとつといえるでしょう。

ロゴの作成方法①テーマとターゲットを決める

ロゴを作成する際には、まずテーマとターゲットを決めることが必要です。テーマとは、ロゴによってどのようなイメージを抱いてほしいのかということであり、ターゲットとは商品やサービスを受ける、ロゴを見る人のことを指しています。

これらを決めなければロゴの方向性が定まりません。

ロゴの作成方法②モチーフとコンセプトを決める

ターゲットとテーマが決まったならば、モチーフとコンセプトを決めます。モチーフとはロゴの素材であり、コンセプトとはロゴの全体像のことです。ターゲットやテーマから連想される単語から決めるとスムーズに決めることができます。

ロゴの作成方法③下書きをして清書

モチーフやコンセプトから浮かんだアイデアを次々にスケッチのように描きだします。その中から良いと思うものを推敲し、最終的にパソコンソフトなどを使用して清書して完成です。

文字をロゴに使う際の注意点

墨の筆文字でロゴを作成する際には、文字の間隔や文字の大きさの強弱、そして全体のバランスに注意しなければなりません。筆文字はにじむことも考えて文字の間隔をあけなければ、見にくくなってしまいます。かといって間隔をあけすぎるとまとまりがありません。

墨文字は文字の一つ一つのインパクトが強いので、すべて同じ大きさにすると印象がぼやける可能性があります。文字に強弱をつけてメリハリをつけてもよいでしょう。このように、文字全体のバランスを考えることが重要となります。

墨を使ってロゴを作成しよう

ロゴ作成には手順があるので、その順番通りに作ることが重要です。墨を使用して書く筆文字をロゴに使うことはよくあります。和の雰囲気を与えることができるほか、威厳や力強さ、温かさに、跳躍力などといったイメージを抱かせることができるでしょう。

墨の文字を使用する際には文字間隔など全体のバランスに気を付けながら、魅力的なロゴを作成してください。